私は、台湾の内閣直轄の医療研究機関「国家衛生研究長」として、ガン研究に従事しており、今日まで多くのガン患者さんを診てきました。本来、医師とは、権威の上にあぐらをかくのではなく、患者の声をもっと聞くべきだと私は思っています。患者のためにより良い治療法を見出すことが医者の役割であり、私は、漢方の立証試験や統合医療、中西医結合医療を通して免疫力向上療法、血管増生抑制、ガン細胞抑制など、多くの研究に携ってきました。その中で、中国政府により初めて抗ガン漢方薬として認定された「天仙液」のガン抑制作用を実験しました。実験では、「急性骨髄性白血病」「乳ガン」「脳腫瘍」「肝臓ガン」の四種類のガン細胞に対して、同薬を投与した場合の細胞の変化を科学的手法で観察、科学的手法により抗ガン漢方薬の実験を重ねてきました。
実験の結果ですが、白血病、乳ガン、脳腫瘍の各ガン細胞に対し、天仙液がシグナルの伝達経路を遮断し、ガン細胞の分化を阻止する傾向がありました。
肝臓ガンについては、まだ実験の初歩段階のため、抑制作用のメカニズムはまだ明確にする段階ではないですが、放射線治療や化学療法と併用した際には、副作用を軽減する働きがあることが見つかりました。
現在、ガン治療の最前線で活躍する医師たちは、これまでの西洋医学主導型の治療から、西洋、東洋両医学を結びつけた中西結合医療、代替療法をも含めた「統合医療」を目ざしています。私自身も統合医療推進者の一人でもあります。しかし、漢方がこれからの統合医療の柱となるには、いくつかの課題を乗り越える必要があります。
現在の医療は、EBM(実証データをベースとした医療)が主流となっています。漢方が、ガンの統合医療の中枢となるには、その効力を理論として明確にする必要があります。長期間の服用でも副作用がないということも、臨床で実証しなければなりません。 |